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27th 3D&バーチャル リアリティ展

東京ビッグサイトで開催された第27回 3D&バーチャル リアリティ展(2019年2月6日(水)~8日(金)を訪問。
VR関係の展示もここ数年で大きな変化が起きているように感じます。

VRはエンターテイメントから教育コンテンツへ

2018年までは360VRなどはエンターテイメントの分野で多く活用されてきました。
例えば音楽のライブイベントやスポーツ分野で、実際に会場に足を運ばなくても特等席からの映像が観られるというものです。

しかし実際には、エンターテイメント分野と360VRの相性は良いとは言えません。VRと言っても実際のライブの迫力や臨場感は得られるわけではありませんし、カメラを設置する場所の問題もあります。映像で観るのであれば演者をアップで観られる通常の映像の方がより綺麗で迫力があります。

VR180と呼ばれるフロントだけの立体映像の分野ではエンターテイメント分野との相性は良く、新たなジャンルとして確立しはじめている感じもありますが、360VRについて言えば活用される機会は減ってきているように思います。

そんな中で360VRコンテンツは、当初目論んでいたエンターテイメント分野での活用から一旦離れて、もっと相性の良い分野を探さなくてはいけない状況が出てきています。

それは何か?と考えると、いろいろとアイディアもあるのですが、今回の3D&バーチャル リアリティ展でもVRコンテンツの潮流の変化が感じ取られました。

BeRISE VR安全シュミレーター

VR安全シュミレーター

VRで「座学」から「体験する教育」へ!と銘打った危険予知のためのVRコンテンツ。展示ではフォークリフトの運転での積極事故などをシュミレーションできます。
https://vrsim.berise.co.jp/

NEC VRV現場体感分析ソリューション

VR安全シュミレーター

VRで作業をシュミレーションさせることによって労働災害を低減させることを目的としたソリューション。
https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/ss/arvr/products/vr/

.TOO SYMMETRY

SketchUpデータを読み込み、実寸大のVR空間で建築デザインの確認や承認、修正依頼ができるシステム。
http://www.too.com/product/software/vr/symmetry/

教育・研修・シュミレーション

実写VR撮影のための魚眼レンズを販売するEntaniyaとしてはちょっと残念なのが上記のVRは全てCGという点ではありますが、VRの活用用途としては、やはり閲覧して楽しむコンテンツというよりは、疑似体験することで予習や学習ができるコンテンツの方が圧倒的に相性が良いと思います。

例えば身近な話題として自動車の運転なども、危険予測や運転方法などをVRで疑似体験すれば、通常の映像で観るよりもはるかに死角の問題なども理解しやすいでしょうし、運転方法などもノブやボタンの位置関係も理解しやすくなるので実際に運転する前の学習としては効果が高くなると思われます。

百聞は一見にしかず、一見は位置体験にしかずなどと言われますが、机上で勉強するよりも体験したことの方がはるかに記憶に残りますし、その後の応用にも繋がります。VRコンテンツをうまく活用することで体験のハードルをかなり下げられるというのはVRの大きなメリットであり、もっと積極的に教育や研修のの現場などで活用されていくように思います。

なので、VRを活用したコンテンツが教育・研修・シュミレーション方面で展開されていうというのは必然的と言えるでしょう。

そんなこんなでVR映像を撮影するお仕事として考えるとエンターテイメントから離れた教育・研修・シュミレーション方面で提案できた方が良いのかなと思います。

実写VRはライブストリーミングとの相性が良い

実写VRはライブストリーミングとの相性が良い

今回の展示会で考えさせられたのは実写VRの活用方法です。VRがシュミレーションのためのコンテンツとの相性が良いのは間違いありませんが、上記のように実写ではなくCGを使用したものがほとんどです。

実写VRの場合は基本的に受け身になるしかなく、インタラクティブ性を持たせるためにはCGが手っ取り早いということになるのだと思います。VRはインタラクティブ性をもたせることで一気に可能性が広がると思いますから、実写VRでもやはりインタラクティブ性というのは非常に重要な要素です。

では、実写VRにインタラクティブ性をもたせるにはどうすれば良いのかを考えると、やはりライブストリーミングということになります。ライブストリーミングも以前はかなりハードルが高かったわけですが、最近ではいろいろなシステムも充実してきており、ずいぶん敷居が低くなってきたので、実写VRの今後はライブストリーミングがメインで展開していくように感じています。

アストロデザイン 8K VRライブストリーミング

さて、上記のカメラシステムはアストロデザイン社が展示していた8K VRライブストリーミングのシステムです。

レンズにはインタニヤの超広角250度魚眼レンズであるEntaniya Fisheye HAL250が使用されていて、カメラ本体はアストロデザイン社の8Kカメラ CM-9010-Aが使用されています。

撮影された映像はVoysysをしようしてVR形式に展開して表示するようになっており、8Kの映像を閲覧するためにJDIの高精細VRヘッドマウントディスプレイであるVRM-100で閲覧できるようになっています。

システム構成

レンズ:Entaniya Fisheye HAL250
カメラ:アストロデザイン CM-9010-A
ソフト: Voysy
HMD JDI VRM-100

高精細なVR体験

上記のシステムで映し出されたライブ映像を確認させていただきました。

JDIの高精細VRヘッドマウントディスプレイの性能の高さあってのことだと思いますが、今までのVR映像の粗さは全く感じないという点です。非常に高精細でドット感を感じさせません。

一般的なVR映像をヘッドマウントディスプレイで見たときにはドット感でどうしてもモニター越しに映像を観てるという感じが否めなかったのですが、非常に透明感があるというかクリアな映像で表示されることに驚きました。また、高精細になると、立体視でなくてもなんとなく立体感が感じられるというのも発見でした。

さすがに8K映像なのでVRの変換にはそれなりにハイスペックなマシンが必要になりますが、それでも思っていたほどのディレイがないというのもポイントかと思います。

正直な感想として今後のヘッドマウントディスプレイの標準的画質になっていくのは間違いないと思われますし、ここに来て初めて「あ、VRもいよいよ実用のレベルに来たな!」と思わせるクオリティになっています。

今まで感じていたヘッドマウントディスプレイ(VR)=低画質というイメージは完全に覆される画質で、エンターテイメントとの相性の壁も超えてしまいそうな可能性を感じるデモでした。

出力が高精細になれば入力も高精細が要求される

忘れてはいけないのはモニター側が綺麗になると、映像が綺麗になるだけではありません。綺麗な映像はより綺麗に見えますが、粗い映像はさらに粗く見えてしまうのです。

要するに今まで見えなかったものが見えてくるのです。そうなると入力側であるレンズやカメラが非常に重要になってきます。それを思うと高品質なレンズ、ラージセンサー、8Kカメラというのは今後のVRを考えても避けては通れないシステムになるように思います。

超広角魚眼レンズで実現できるステッチの無いVR

Entaniya Fisheye HAL250を使用すればカメラ一台でVR映像ができてしてしまうのでシステム自体が非常にシンプルですし、ステッチの問題も一切ありません。極端な例としてカメラの30cm手前に立って手を広げたとしてもステッチエラーが出ることはありません。

もちろん画角は250度でフル360度ではありませんが、250度でも十分キョロキョロできますし臨場感は損なわれません。そもそもヘッドマウントディスプレイだと座って観ることが多いので後ろは観ないので要らないのです。(あっても良いですが)

高精細になればなるほどステッチエラーも見えやすくなりますし、オプティカルフローの不自然さもはっきりとしてきますから、超広角レンズというのは今後のVR撮影においてはますます大きなメリットが出てくるものと思われます。

気になる製品

グラスレス3Dモニター

グラスレス3Dモニター

その他、VRとは少し離れますが気になる製品もあったので紹介しておきます。
グラスレス3Dモニターはヘッドマウントディスプレイや3Dメガネがなくても3D映像を楽しめるというモニターです。

表示形式は通常のサイドバイサイド形式の3D映像であれば立体視できるというもので、実際に立体に見える不思議なモニターです。

近づきすぎると破綻してしまうので、ある程度の距離2〜3メートルは必要なようですが、モニターの正面に立たなくても立体に見ることができました。

聞くと4Kになってはじめて実現できるようになったようで、FHDなどのでは実現できなかった技術のようです。基本的に3D表示専用なので通常の映像を表示しても擬似的に3D表示されるものなので一般家庭向きではありませんが、サイネージなどで使用するとアイキャッチとしては非常に良いように思います。

4K裸眼3Dモニタ(pdf)

以上、27th 3D&バーチャル リアリティ展のご報告でした。