PARCELA 51

スペインのメディア制作会社La Bicicleta ADによるVR作品「PARCELA 51」の撮影でEntaniya Fisheye HAL250 EF 6.0が使用されました。RED MOSNTROを使用したシネマティックな映像や、VRの表現方法へのチャレンジなど、かなり印象深い作品ですので、是非多くの人に観ていただきたいと思いここで紹介させていただきます。

PARCELA 51

Cinematic VR

この作品ではRED MONSTRO VVとEntaniya Fisheye HAL250 EF 6.0が使用されています。One Shot VRと呼ばれる250度のレンズを装着した1台のカメラで撮影された250度視野のVR作品です。

RED MONSTROはVistaVisonサイズの大きなセンサーを搭載し、同じRED社の8KカメラであるHELIUMに比べて暗所での画質が良い、次世代8Kカメラの筆頭に位置するデジタルシネマカメラで、映像を見ていただければわかるように映画のような映像のVRを実現しています。

とかくVR映像はカリカリのシャープな映像になってしまいがちです。もちろん良い悪いはありますが、このようなストーリー性のある映像作品の場合はシネマライクな映像の方が適していると思われ、Entaniya Fisheye HAL250がこのような映像制作に使用されたというのは非常に喜ばしいことでもあります。

One Shot VR

One Shot VRで撮影した映像なのでVRで大きな問題となるステッチの問題がなく、狭い場所やカメラに極端に近づいたシーンなどでは特に有効な方法です。作品中でもリカーショップや社内のシーンがありますが、狭い店内で複数の演者がカメラに近づく演出などはOne Shotだからこそ可能な演出と言えるでしょう。

One Shotにすることで、主体となる被写体が何なのかを明確にすることができるため、ストーリーテリングにおいても有効で、見てほしいシーンを見逃してしまうという360VRにありがちな問題を避けることができています。

多彩なカメラワーク

またこの作品においての注目点はカット割が多く、かつ視点の変更も多いというところです。一般的にVR作品は固定視点であったり、カメラワークや視点の変更を避ける傾向にあるように思います。VR作品は基本的にPOV(Point of view:主観ショット)になってしまい、単調な映像になってしまいがちなのです。

ところが、この作品では豊富なカメラワーク、視点の変更により単調にならずに物語を展開させています。上記の画像のように引きのシーンもあれば、寄りのシーンもあり、視聴者を飽きさせないカット割とカメラワークになっています。

まとめ

VRの映像制作は最終的な視聴方法を考えて編集する必要があると思います。この作品は次々にシーンが変わることや一人称視点ではないためHMDでの視聴だと、混乱してしまう可能性もありますが、モニターやテレビ画面で観ることを基本に考えれば、VRの映像表現方法として一つの正解のような気がします。

無理に画面をスクロールさせなくても普通の映画のようにストーリーを追うこともできますし、VRしく周辺をキョロキョロと確認しながら映像を楽しむこともできるわけで、通常の映像とVR映像の良いとこ取りをしたような素晴らしい作品だなというのが素直な感想です。

La Bicicleta AD