SIGMA社のフルサイズデジタルカメラのfpにEntaniya Fisheye HALを取り付けて撮影テストを行いました。
フルサイズフォーマットのミラーレスカメラ SIGMA fp
SIGMA fpはフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラで、フルサイズフォーマット機でありながらもパスポートよりも小さなカメラボディが特徴のカメラです。
写真の撮影だけでなく、外部録画で最大12bitのCinemaDNGに対応するなど動画撮影で、そのコンパクトなボディサイズを活かして、3Dステレオ180VR用途で使用できなる可能性もあり、Entaniya Fisheye HAL 200 6.0mmなどのレンズの取り付けテストを行った次第です。
Entaniya Fisheye HALをSIGMA fpに取り付ける方法
SIGMA fpのレンズマウントはLeica社とSIGMA社、そしてPanasonic社が採用しているLマウントになります。
Entaniya Fisheye HALシリーズのレンズマウントはMFTマウント、SONY Eマウント、Cマウント、EFマウントとなっており、いずれもLマウントとの互換性はありません。
しかしマウントコンバーターと呼ばれるマウント変換アダプターを使用することで、異なるマウント形式のカメラにも取り付けることができる場合があります。
Entaniya Fisheye HALシリーズで言えば、EFマウントのレンズがマウントコンバーターを使用してLマウントのカメラに取り付けることができるようになります。
従ってLマウントのカメラに取り付けられるEntaniya FisheyeはEFマウントに対応した下記のレンズになります。
● Entaniya Fisheye HAL 250 EF 4.3
● Entaniya Fisheye HAL 250 EF 6.0
● Entaniya Fisheye HAL 200 EF 6.0
いずれも大きなイメージサークルを持ったレンズなので、フルサイズフォーマットで円周魚眼レンズとして使用できるレンズになります。
※PL-Lマウントアダプターを介せば、シネマ系で標準マウントのPLマウントレンズがLマウントカメラで使用できるようになります。つまり、Entaniya Fisheye HAL 220 PLレンズも使用できるということになりますが、残念ながら今回のはEFマウントレンズのみのテストになります。
ちなみにPL-LマウントアダプターはSIGMA社からPL-Lマウントコンバーター SIGMA MOUNT CONVERTER MC-31が発売されています。
EF-Lマウントコンバーターを使用する
EF-LマウントコンバーターはCanon社のEFマウントのレンズをLマウントカメラに適合するようにマウントを変換するアダプターです。2019年11月現在でEF-LマウントアダプターはSIGMA社のMC-21のみとなります。
EFマウントレンズおよびLマウントカメラのいずれも人気のマウント形式になるため、多くのメーカーがEF-Lのマウントコンバーターを開発するものと思います。
その他の方法としてましては、EFマウントをLeica Mマウントに変換するアダプターとLeica MマウントをLeica Lマウントに変換するアダプターが多くのマウントコンバーター製造メーカーから販売されていますので、この2つのマウントコンバーターを組み合わせることでEFマウントのレンズをLマウントのカメラに取り付けられるようになります。
SIGMA マウントコンバーターMC-21は要改造
SIGMA社のマウントコンバーターMC-21は電子接点有りのマウントコンバーターですが、Entaniya Fisheye HAL EFマウントレンズは後玉が飛び出た設計のレンズのため、マウントコンバーター内部に干渉してしまい、そのままでは取り付けができないので、内部の遮光フィルターなどを取り除く必要があります。
内部を取り除く作業自体は精密ドライバーがあれば10分ほどで完了してしまえるくらい簡単ですが、メーカー保証がなくなることや元に戻せなくなる可能性もありますので自己責任での作業になります。
また他社からEF-Lマウントコンバーターが販売された場合でも電子接点のあるマウントコンバーターの場合は同様に干渉して取り付けが出来ない可能性もあるので、マウントコンバーターを選択する際には電子接点がなく筒状になったマウントコンバーターを選択してください。
例えば、mukカメラサービス社のキャノンEOSブリッジアダプター(EF-M)とLUMIX S1 Lマウント用マウントアダプタ(M-L)マウントアダプターなどは筒状になっていて、改造無しでも干渉を避けられます。
SIGMA fpでの撮影テスト
SIGMA fpでの撮影テストを行うのは画質のチェックの他にクロップサイズの目安を付けるのが主目的です。
というのも、同じサイズのセンサーを使用したカメラでもカメラメーカーによってセンサーを使用する範囲(クロップ)が異なるため、使用するカメラによって画角が変わってしまうのです。Entaniya Fisheye HALシリーズのような魚眼レンズを使用してVRなどを撮影する場合には、このクロップがどのようにされるのかが非常に重要なのです。
写真 Photo
Entaniya Fisheye HAL 200 EF 6.0
Entaniya Fisheye HAL 200 EF 6.0(焦点距離6.0mm)を使用してフルサイズ3:2(6000x4000)で撮影した写真です。
Entaniya Fisheye HAL 200 EF 6.0のイメージサークルサイズは、180° = φ18.2mm / 200° = φ19.9mですのでフルサイズセンサーの上下2mm程度を残した状態で円周イメージが入ります。
オリジナル画像をダウンロード動画 Video
SIGMA fpの特徴は、動作撮影時において、DNGで保存されるというところにあると思います。
アスペクト比は3840×2160の16:9となります。
SIGMA fpとEntaniya Fisheye HAL
写真 STILL
動画 VIDEO
クロップサイズとレンズと用途
1.) 円周のイメージが得られるか? 調査や全方位記録用途
魚眼レンズならではのイメージである円周魚眼映像をケラレ無しで得られるかどうか?
センサーに対してイメージサークルが大きすぎると上下がケラレてしまいますし、イメージサークルが小さすぎると解像度が得られないため、上下ギリギリにイメージサークルが収まっている状態が理想です。
Entaniya Fisheye HAL200 EF 6.0
Entaniya Fisheye HAL220 PL 6.14mm
2.) 180度の円周のイメージが得られるか? ドーム映像用途や180VR用途
ドーム映像で使用される場合に180度(マージンを考えると190度以上が理想)以上が収まっている必要があります。200度や250度のレンズの場合、解像度を得るために上下のイメージサークルがケラれる場合もありますが、必要な180度の範囲を使用する前提であれば問題になりません。3D180VR用途においても重要なポイントとなります。
Entaniya Fisheye HAL200 EF 6.0
Entaniya Fisheye HAL250 EF 6.0
Entaniya Fisheye HAL220 PL 6.14mm
3.) VR用途
VR用途の場合、水平のみの撮影であれば少なくとも垂直の視野は190度以上(理想は200度以上)が収まっている必要があります。
水平の視野は360度をカバーする必要があり、複数のカメラ、または複数回の撮影が必要ですが、360度をステッチするためには視野の総合計が420-440度程度あるのが理想的です。
上記のサンプルはEntaniya Fisheye HAL200 EF 6.0を使用して3方向を撮影したものをステッチしています。