![](https://products.entaniya.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/191122_1-1024x526-1.jpg)
Panasonic社の動画用ミラーレスカメラのフラッグシップ機であるLUMIX S1HにEntaniya Fisheye HALを取り付けて撮影テストを行いました。
フルサイズフォーマットのミラーレスカメラ Panasonic LUMIX S1H
Panasonic LUMIX S1Hはフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラで、Paasonic社のフルサイズミラーレスカメラのS1シリーズの中で動画撮影用途に最も適したモデルになります。
同じくPanasonic社のLUMIXシリーズでマイクロフォーサーズセンサーを搭載した動画撮影に適したGH5の進化版とも言えるカメラです。
2019年11月現在で3D 180 VR撮影用のプロフェッショナル機材としてはPanasonic社のLUMIX GH5とEntaniya Fisheye HAL 200 MFT 3.6を組み合わせたシステムが主流ですが、カメラのラージフォマット化とともに、フルサイズ機であるLUMIX S1Hで3D 180 VRが撮影できないかの問い合わせも多くなってきています。
Entaniya Fisheye HALをPanasonic LUMIX S1Hに取り付ける方法
![](https://products.entaniya.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/191122_2-1024x730.jpg)
Entaniya Fisheye HALレンズ
Panasonic LUMIX S1HのレンズマウントはLeica社とSIGMA社、そしてPanasonic社が採用しているLマウントになります。
Entaniya Fisheye HALシリーズのレンズマウントはMFTマウント、SONY Eマウント、Cマウント、EFマウントとなっており、いずれもLマウントとの互換性はありません。
しかしマウントコンバーターと呼ばれるマウント変換アダプターを使用することで、異なるマウント形式のカメラにも取り付けることができる場合があります。
Entaniya Fisheye HALシリーズで言えば、EFマウントのレンズがマウントコンバーターを使用してLマウントのカメラに取り付けることができるようになります。
従ってLマウントのカメラに取り付けられるEntaniya FisheyeはEFマウントに対応した下記のレンズになります。
● Entaniya Fisheye HAL 250 EF 4.3
● Entaniya Fisheye HAL 250 EF 6.0
![](https://products.entaniya.co.jp/wordpress/wp-content/themes/falcon_tcd089/img/common/no_image1.gif)
● Entaniya Fisheye HAL 200 EF 6.0
![](https://products.entaniya.co.jp/wordpress/wp-content/themes/falcon_tcd089/img/common/no_image1.gif)
いずれも大きなイメージサークルを持ったレンズなので、フルサイズフォーマットで円周魚眼レンズとして使用できるレンズになります。
※PL-Lマウントアダプターを介せば、シネマ系で標準マウントのPLマウントレンズがLマウントカメラで使用できるようになります。つまり、Entaniya Fisheye HAL 220 PLレンズも使用できるということになりますが、残念ながら今回のはEFマウントレンズのみのテストになります。
EF-Lマウントコンバーターを使用する
EF-LマウントコンバーターはCanon社のEFマウントのレンズをLマウントカメラに適合するようにマウントを変換するアダプターです。2019年11月現在でEF-LマウントアダプターはSIGMA社のMC-21のみとなります。
EFマウントレンズおよびLマウントカメラのいずれも人気のマウント形式になるため、多くのメーカーがEF-Lのマウントコンバーターを開発するものと思います。
その他の方法としてましては、EFマウントをLeica Mマウントに変換するアダプターとLeica MマウントをLeica Lマウントに変換するアダプターが多くのマウントコンバーター製造メーカーから販売されていますので、この2つのマウントコンバーターを組み合わせることでEFマウントのレンズをLマウントのカメラに取り付けられるようになります。
SIGMA マウントコンバーターMC-21は要改造
![](https://products.entaniya.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/191122_3-1-1024x384.jpg)
SIGMA社のマウントコンバーターMC-21は電子接点有りのマウントコンバーターですが、Entaniya Fisheye HAL EFマウントレンズは後玉が飛び出た設計のレンズのため、マウントコンバーター内部に干渉してしまい、そのままでは取り付けができないので、内部の遮光フィルターなどを取り除く必要があります。
内部を取り除く作業自体は精密ドライバーがあれば10分ほどで完了してしまえるくらい簡単ですが、メーカー保証がなくなることや元に戻せなくなる可能性もありますので自己責任での作業になります。
また他社からEF-Lマウントコンバーターが販売された場合でも電子接点のあるマウントコンバーターの場合は同様に干渉して取り付けが出来ない可能性もあるので、マウントコンバーターを選択する際には電子接点がなく筒状になったマウントコンバーターを選択してください。
![](https://products.entaniya.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/191122_4-1024x384.jpg)
例えば、mukカメラサービス社のキャノンEOSブリッジアダプター(EF-M)とLUMIX S1 Lマウント用マウントアダプタ(M-L)マウントアダプターなどは筒状になっていて、改造無しでも干渉を避けられます。
参考リンク mukカメラサービス
Panasonic LUMIX S1Hでの撮影テスト
Panasonic LUMIX S1Hでの撮影テストを行うのは画質のチェックの他にクロップサイズの目安を付けるのが主目的です。
というのも、同じサイズのセンサーを使用したカメラでもカメラメーカーによってセンサーを使用する範囲(クロップ)が異なるため、使用するカメラによって画角が変わってしまうのです。Entaniya Fisheye HALシリーズのような魚眼レンズを使用してVRなどを撮影する場合には、このクロップがどのようにされるのかが非常に重要なのです。
写真 Photo
Entaniya Fisheye HAL 200 EF 6.0
![](https://products.entaniya.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/hal200_s1h-1024x683.jpg)
Entaniya Fisheye HAL 200 EF 6.0(焦点距離6.0mm)を使用してフルサイズ3:2(6000x4000)で撮影した写真です。
Entaniya Fisheye HAL 200 EF 6.0のイメージサークルサイズは、180° = φ18.2mm / 200° = φ19.9mですのでフルサイズセンサーの上下2mm程度を残した状態で円周イメージが入ります。
Entaniya Fisheye HAL 250 EF 6.0
![](https://products.entaniya.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/hal250_s1h-1024x683.jpg)
Entaniya Fisheye HAL 250 EF 6.0(焦点距離6.0mm)を使用してフルサイズ3:2(6000x4000)で撮影した写真です。
Entaniya Fisheye HAL 250 EF 6.0のイメージサークルサイズは、180° = φ18.2mm / 250° = φ23.7mmです。Panasonic S1Hのセンサーサイズは35.6mm×23.8mmとなっているので、数値通りであれば円周イメージが全て収まることになりますが、実際に撮影された写真では上下がほんの少しですがケラれているようです。
これは数値より小さなセンサーが使用されているというわけではなく、センサーを全面を使用するのではなく、多少のマージンを取って内側でクロップしているためだと思われます。実際の撮影サイズでは高さ23mm程度のようです。
動画 Video
Panasonic Lumix S1Hの特徴は、動作撮影時において、様々なフォーマットで撮影できるというところにあると思います。
一般的なミラーレスカメラの場合、4KかFHD/HDでアスペクト比は16:9でのみ撮影可能というものがほとんどですが、Panasonic Lumix S1Hは様々なフォーマットで撮影できるようになっています。
これはPanasonic Lumix GH5でも同様に様々なフォーマットで撮影できるため、4:3などの縦の解像度が出せるフォーマットがVR撮影では非常に重宝されていましたが、上位機種のPanasonic Lumix S1Hでも同様に多くのフォーマットが選択できるというのは、非常に嬉しいところです。
※全てのフォーマットの撮影動画を掲載すると読み込みが遅くなってしまうので、映像から切り出した画像をメインに掲載しています。サンプルのオリジナル動画は下部のリンクよりダウンロードいただけます。
FULL [3:2 6K] 5952×3968, 23.98p
![](https://products.entaniya.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/191122_5-1024x683.jpg)
FULL [3:2 5.4K] 5376×3584, 29.97p
![](https://products.entaniya.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/191122_6-1024x683.jpg)
FULL [ C4K ] 4096×2160, 29.97p
![](https://products.entaniya.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/P1000421_40003-1024x576.jpg)
S35 [ C4K ] 4096×2160, 29.97p
![](https://products.entaniya.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/191122_9-1024x540.jpg)
S35 [4:3 アナモ4K] 3328×2496, 47.95
![](https://products.entaniya.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/191122_10-1024x768.jpg)
サンプル動画
上記のサンプル動画を下記よりダウンロードいただけます。
Panasonic LUMIX S1HとEntaniya Fisheye HAL
Entaniya Fisheye HAL 200 EF 6.0
![](https://products.entaniya.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/hal200_s1-1024x481.jpg)
Entaniya Fisheye HAL 250 EF 6.0
![](https://products.entaniya.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/hal250_s1-1024x474.jpg)
Entaniya Fisheye HAL 250 EF 4.3
![](https://products.entaniya.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/hal2504_s1-1024x464.jpg)
クロップサイズとレンズと用途
1.) 円周のイメージが得られるか? 調査や全方位記録用途
魚眼レンズならではのイメージである円周魚眼映像をケラレ無しで得られるかどうか?
センサーに対してイメージサークルが大きすぎると上下がケラレてしまいますし、イメージサークルが小さすぎると解像度が得られないため、上下ギリギリにイメージサークルが収まっている状態が理想です。
Entaniya Fisheye HAL200 EF 6.0
[3:2 6K]
[3:2 5.4K]
Entaniya Fisheye HAL250 EF 4.3
[ C4K ]
2.) 180度の円周のイメージが得られるか? ドーム映像用途や180VR用途
ドーム映像で使用される場合に180度(マージンを考えると190度以上が理想)以上が収まっている必要があります。200度や250度のレンズの場合、解像度を得るために上下のイメージサークルがケラれる場合もありますが、必要な180度の範囲を使用する前提であれば問題になりません。3D180VR用途においても重要なポイントとなります。
Entaniya Fisheye HAL200 EF 6.0 / HAL250 EF 6.0
[3:2 6K] 3200 x 3200
[3:2 5.4K] 3200 x 3200
[16:9 5.9K] 3200 x 3200
3.) VR用途
VR用途の場合、水平のみの撮影であれば少なくとも垂直の視野は190度以上(理想は200度以上)が収まっている必要があります。
水平の視野は360度をカバーする必要があり、複数のカメラ、または複数回の撮影が必要ですが、360度をステッチするためには視野の総合計が420-440度程度あるのが理想的です。
上記のサンプルはEntaniya Fisheye HAL250 EF 6.0を使用して16:9 5.9Kで前後2方向を撮影したものをステッチしています。
Entaniya Fisheye HAL200 EF 6.0
[16:9 5.9K] 3方向 6400 x 3200
Entaniya Fisheye HAL250 EF 6.0
[16:9 5.9K] 2方向 6400 x 3200
3.) 完全にカバーするか? ワイド映像用途
対角魚眼レンズとして超広角なイメージを得ることができます。
対角をカバーしない場合でも左右ギリギリにイメージサークルが収まっている場合は、周辺の歪みを補正することとでAnamorfish(アナモフィッシュ)と呼ばれる超広角なイメージを得ることや、魚眼映像の一部をクロップして切り出すFISH and CROPなど広角なレンズの特性を活かした映像作成がしやすくなります。
Entaniya Fisheye HAL200 EF 6.0
[4:3 アナモ4K] Anamorfish / FISH and CROP
Entaniya Fisheye HAL250 EF 6.0
[3:2 6K] Anamorfish
[3:2 5.4K] Anamorfish
[S35 C4K] FISH and CROP
[S35 4K] FISH and CROP
Entaniya Fisheye HAL250 EF 4.3
4:3 アナモ4K] Anamorfish / FISH and CROP